戦争をやめた人たち レビュー
あすなろ書房
『戦争をやめた人たち』を読んだワケ
興味を抱いた理由は、戦争と平和がテーマであったことと、本屋さんでクリスマスの本棚コーナーに並んでいたことでした📚。
2022年2月に、ロシアがウクライナに侵攻を始めました💣。
それからというもの、2022年のクリスマスに至るまで、ニュースで幾度となく、戦争の様子が伝えられ、息子と「戦争と平和」について話し合ってきました👩👦。
このお話は、第一次世界大戦中に、イギリス軍とドイツ軍の間で、クリスマスに起きた本当の出来事に基づいています🎄。
クリスマスの日だけ、戦争をやめた人たちがいたのです💂。
『戦争をやめた人たち』の魅力
戦争することよりも強い、人の優しさ、ピュアな心を信じられる
100年以上前の1914年。
第一次世界大戦がはじまった、5か月後…
ドイツ軍とむかえうつイギリス軍との最前線で、12月24日の夜に起こったことです。
イギリス軍の兵士が、疲れ果て、塹壕で休んでいると、ドイツ軍の塹壕から、クリスマスの歌、「きよしこのよる」が聞こえてくるではありませんか。
「こっちも、歌おうか」と、イギリス軍の兵士たちも歌い始めます。
すると、ドイツ軍のほうも、歌っているのが分かったようで、パチパチと拍手の音が聞こえてきました。
両方の塹壕から、暗い夜空に、色々なクリスマスの歌が流れてきました・
・・。
そして、着ていたうわぎをまるめ、サッカーが始まりました⚽。
みな、子どものようにわらいながら、走ります🏃。
夕方、それぞれの塹壕にかえる時間になると、笑いながら握手をしました👏。
戦場のほかの場所でも、同じようなことがいくつもあったそうです。
そして、ここでクリスマスを祝った兵士たちは、もう、銃で相手をうつことはせず、命令されると、銃を少し上にむけ、空にむかってうったそうです💣。
大きな攻撃作戦があるときは、相手に知らせ、気をつけるよう伝えたそうです😌。
いっしょにわらい、あそび、食事をし友だちになったから、あいてにもふるさとがあり、家族や子どもがいることがわかったからです。
国を大きくするために戦争するより、たいせつなものがあることがわかったから、この人たちは、戦争をやめたのです。
この本を読んで、性悪説や性善説について考えてみました😶
人間には、戦争を始めて、自分たちの国を大きくする犠牲に、多くの人の命を奪うような「悪」があり、その一方で、人を慈しみ、友達を想い、家族を愛する「善」があります👪。
両方あるというのが、一般的な答えかもしれません🙆。
しかし、戦争の最前線にいながら、クリスマス・イブの夜に、無邪気に歌い合い、クリスマスの朝には子どものように笑いながら、サッカーをする人々を見ていたら、「性善説」より、何かもっとシンプルで単純なピュアな心を本来持っているのが、人間なのではないかと感じました😮。
乳児~幼児の頃、家族で寄り添うだけで、安心感に満ち、誰かを故意に傷つけようなどという発想さえなく、毎日が静かに流れているような空間に心を落ち着かせ、ただ生きていたいという感覚がありました👶👦。
この感覚が、ほとんどの人の心の奥にはあるのではないでしょうか。
その心を蝕み、心の病へと陥らせてしまうのが一つには戦争なのだと思います💀。
しかし、兵士たちの互いを思いやる優しさ、ピュアな心が「戦争」に勝つ瞬間を目の当たりにできるのが、この絵本です😌。
優しさ、ピュアな心が、戦争に打ち勝つことができるという、人の心の神髄、強さを親子で信じることができます👦👧✨👩👨。
やわらかな絵のタッチと色で分かる心!
鈴木まもるさんの何とも優しい絵のタッチが、温かい気持ちにしてくれます✨
「戦争の絵本」と聞くと、子どもながらに「怖い…、読みたくない…。」と思うかもしれません😖。
しかし、この絵本で描かれる兵士たちの顔は、最前線での緊張した場面は除き、とっても穏やかなんです😌。
そして、両軍が心を開き始めてからは、とても楽しそうで、子どものようです。
息子も、大人もこんなに子どものように無邪気にはしゃぐものなのかと、びっくりするほどでした👦😳。
「戦争」が舞台の絵本であるのに、読み終わったときには、心が優しさでいっぱいになるのが、この絵本の魅力です🌟。
また、色使いが、とても印象的な絵本でもあります。
物語の始まりはセピア色で描かれているのですが、ドイツ軍の歌が聞こえてくる7ページあたりで、色が使われ始めます🌈。
音符、人々の歌声、焚火、手をにぎりあった、イギリス軍のジョンとドイツ軍のハンスの瞳、サッカーをする兵士たちの上の空…🎵👀🔥。
そう、人々の心が感じられるものに、色が使われているのです✨。
それぞれの塹壕へ帰る場面で、2ページに渡って描かれた夕空の色合いが、とっても素敵でした🌇。
そして、最後のページで「この星に、戦争はいりません。」という文の周りに描かれた、手をつないだ子どもたちは、絵本の中で一番色とりどりに描かれていたことに、平和への希望が感じられました🌍。
親子で戦争と平和を考えるきっかけになる!
制作ノートより:
この絵本の、あとがきの絵を描いているときに、ロシアがウクライナに侵攻をはじめました。また、戦争をはじめる人間がいる現実に愕然としつつ、戦争することよりも強い、人の優しさと想像力がかきたくて、絵を完成させました。戦争をはじめるのも人ですが、戦争をやめることができるのも人です。ひとりひとりの想像力が、戦争をやめる力を生み出すのだと思います。
制作ノートのひとりひとりの想像力が、戦争をやめる力を生み出すというメッセージが特に心にささったのをきっかけに、息子と戦争のある世界を一緒に想像してみました👦👩💭。
戦争は人の命を奪うだけでなく、環境も破壊するということ💥。
大切な人が奪われ、「生きる」ことがすべてになること💧。
科学が、間違った使われ方をすること💣。
戦争のある世界は、とても残酷で、悲しいね😪など、話すことができました。
「戦争をやめた人たち 」は、親子で戦争と平和について話すきっかけを、きっとくれると思います。
リアル!親子で絵本トーク
「実際に読みたい!」方へのご案内
この星に、戦争はいりません🌍
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