11ぴきのねこ レビュー
『11ぴきのねこ』とは?
絵本好きな方なら、知らない人はいない、11ぴきのねこシリーズ。
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漫画家・絵本作家である馬場のぼるさんにより著作された、11ぴきのねこシリーズ。
1967年にこぐま社より1作目『11ぴきのねこ 』が刊行され、その後『11ぴきのねことあほうどり 』、『11ぴきのねことぶた 』、『11ぴきのねこふくろのなか 』、『11ぴきのねことへんなねこ 』、『11ぴきのねこどろんこ 』と出版されます。
11ぴきのねこ | 1967年発行 第15回産経児童出版文化賞 全国学校図書館協議会選定 日本図書館協会選定 厚生省中央児童福祉審議会推薦文化財 |
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11ぴきのねことあほうどり | 1972年発行 第19回文芸春秋漫画賞 |
11ぴきのねことぶた | 1976年発行 全国学校図書館協議会選定 日本図書館協会選定 厚生省中央児童福祉審議会推薦文化財 |
11ぴきのねこ ふくろのなか | 1982年発行 全国学校図書館協議会選定 日本図書館協会選定 厚生省中央児童福祉審議会推薦文化財 |
11ぴきのねことへんなねこ | 1989年発行 全国学校図書館協議会選定 日本図書館協会選定 |
11ぴきのねこ どろんこ | 1996年発行 全国学校図書館協議会選定 |
1967年に刊行されてから、3世代、50年以上愛されてきたロングセラーの絵本で、11ぴきのねこたちが織りなす、ユーモアあふれる物語は、今も多くの人を魅了し続けています。
11ぴきのねこシリーズ『お気に入り3選』
みなさんが選ぶ、11ぴきのねこシリーズのお気に入りは何でしょうか。
『11ぴきのねことあほうどり 』、『11ぴきのねこどろんこ 』、『11ぴきのねことへんなねこ 』が、我が家のおすすめです😄🌟
その理由を、順にお伝えしていきます!
私選『11ぴきのねことあほうどり』の魅力
それぞれ読んでみて、みなさんの押しは分かれると思うのですが、もし私が👩「11ぴきのねこシリーズを1冊だけ保存版にするとしたら、どれ?」と聞かれたら、『11ぴきのねことあほうどり』とこたえます。
魅力①:コロッケのみせを始めた、ねこたちの「生きる力」がすごすぎる!
初めて刊行された『11ぴきのねこ』では、ねこたちは大きな魚を捕まえて食べていて、どちらかというと自然の中で暮らして、サバイバルしながら生きているイメージでした。
しかし、この『11ぴきのねことあほうどり』では、「11ぴきのねこが、コロッケのみせをはじめました。」という一文から始まります。
見れば、とらねこたいしょうが、「さあ、いらっしゃい いらっしゃい」と、お客を呼んでいるではありませんか😸
お店までかまえていて、かれらは、立派な商売人になっているんですよね。
ねこたちの「生きる力」、すごすぎませんか!
いつの間にか、コロッケやさんを営むことで、社会の中で生き抜いて飯を食っているねこたち。
図太さ、順応力、瞬発力の高さに、「強いなぁ、やるなぁ。」と圧倒されてしまいます。
コロッケやさん✕11ぴきのねこに、シュールさを感じつつも、ねこたちのハングリー精神に爽快感さえ覚えるのが、おもしろさの1つです😆
魅力②:きらめくあほうどりの存在!
コロッケやさんで、売れ残った余りのコロッケをひたすら食べ続けた結果、コロッケに飽きてしまったねこたち😹
そんなところにやってきたのが、コロッケを分けて欲しいと頼む、一羽のあほうどり🐦
あほうどりを見た瞬間、11ぴきのねこたちは、「食いものが自らやってきた・・・!」となります。
このあほうどりの登場で、物語がめちゃくちゃ面白く展開していきます!
また展開した結果を見ても、この物語は、「あほうどり」という生き物なくしては成り立たないと感じることができます。
コロッケが6こお皿の上にあるのを見て、あほうどりは、「3こがふたつもある。」と驚きます。
11ぴきのねこたちは、あほうどりが6こを数えられないのを見て、笑います😸
その後、あほうどりが「こんな すてきな コロッケを くにの きょうだいにも たべさせてやりたいものだ」と言うと、よくばりな11ぴきのねこたちは、きょうだいの数を聞きます😽
あほうどりが、「3ばと3ばと3ばと2わ」と答えると、11わぶんのとりの丸焼きが食べられると思ったねこたちは、あほどうりの住んでいる国へと向かうのです🌍
国に到着すると、あほうどりのきょうだいたちが、次から次へと紹介されます。
初めこそ、目をピカピカと輝かせるねこたちでしたが、その数と大きくなるあほうどりたちに段々と圧倒され、最後のきょうだいが、桁外れに大きいことに驚き叫びます🙀
おばけあほうどりに恐れを抱き、逃げ帰ろうとするねこたちですが、一番大きなあほうどりに引き留められ、ついにはコロッケをみんなに作ることになる、というトホホなラストを迎えます😿
あほうどりがズラズラと11ぴきのねこたちを囲み始めるあたりから、私も息子もゲラゲラと笑いはじめ😆、最後の巨大なあほうどりに、ねこたちと同じように、「うわぁ!」とびっくり😲!
物語の盛り上がりは最高潮に達し、例えるなら、ジェットコースターの一番上にいる感覚になりました。
11ぴきのねこたち目線で物語を読み進めてきたのが、このどでかいあほうどりの出現で、今までの目線がひっくり返ります。
11ぴきのねこたちが、まともに数を数えられないあほうどりを、バカだと思い込んで、丸焼きにして食べようとしたけれど、結局いっぱい食わされて、阿呆なはずだったあほうどりの方が一枚上手になるわけです。
作者がこの物語のカギとなるキャラクターに、阿呆が名につく「あほうどり」を選んだことで、より11ぴきのねこたちへのどんでん返しに、強烈な印象を与えてくれました。
そういう意味で、あほうどりは、物語の面白さになくてはならない、きらめく存在🎇だと思うのです。
息子選『11ぴきのねこ どろんこ』の魅力
息子が一位にあげたのが、『11ぴきのねこ どろんこ』でした。
特に登場する、ジャブ🦖というキャラクターが好きで、ふるさと納税を通じてジャブのぬいぐるみをいただいたくらいです。
(残念ながら、今はジャブのぬいぐるみは取り扱っていないようですが、11ぴきのねこグッズはあるようです😀❗ 気になる方は、チエックしてみてください👍)
それでは、息子を魅了した『11ぴきのねこ どろんこ』の魅力に迫りたいと思います💁。
魅力①:ジャブを通して芽生える、ねこたちの優しさと成長
ある日、11ぴきのねこたちは、ジャブ ジャブ ジャブ。バッシャーン。と泥だらけになっている、恐竜の子に出会います🦕。
またある時、崖から落っこちて、登れなくなっている恐竜の子に再び出会うと、みんなで助けようとがんばります🌄。
ジャブジャブ泥に入っていたことから、名前をジャブと名付けたねこたち😸。
それから月日が流れ、久しぶりにねこたちが暮らす山の中に、ジャブが訪れます🦕。
ジャブは、「ウホホ。ねこ、みんな、おいで。ねこ、みんな、せなか のせる。」と言って、ねこたちを背中に乗せ、森を駆けていきます。
ねこたちも楽しそうに背中に揺られ、「ウホホ。ねこ、みんな、うれしいか」とジャブも満足そう😸🦕🎵
ジャブは、みんなを喜ばせようとしてなのか、泥沼に入っていって…。
今まで『11ぴきのねこ』、『11ぴきのねことあほうどり』、『11ぴきのねことぶた』に登場した大きな魚、あほうどり、ぶたに対しては、いつも何とか自分たちの利益になるものを得ようと必死でした😼。
11ぴきのねこシリーズの最後の作品『11ぴきのねこ どろんこ』では、途中でジャブを誤解して、懲らしめてしまうシーンが存在しますが、初めからジャブから何かを得てやろうとか、だましてやろうなどという気持ちはないのです😌。
どこか天然なジャブに振り回されながらも、助けてあげよう、仲良くなろうとする気持ちが、ねこたちから感じられるのです😸💕。
今までのねこたちの言動を見てきた読者にとっては、ねこたちの心の成長と優しさに触れることができ、温かな気持ちになれるのではないかと思います。
魅力②:「みんな、みんな、うれしい、うれしい」のラスト
またある時、ジャブがふらっと、魚の干物を作っているねこたちのところに、りんごをもってやって来ます。
しかし、代わりに魚をもって行ってしまったことで、ねこたちを怒らせてしまいます。
しばらくたったある日、森で昼寝をしているジャブを見かけ、魚をとられたかたき討ちにと、ジャブの背中めがけて石を落とします⛰。
びっくりしたジャブは、どこかへ逃げて行ってしまって、それ以来すっかりジャブは姿を現さなくなってしまうのです🦕。
「なんだか かわいそうなことしたね。」と、ねこたちもしょんぼり😿。
それから一年が経った頃、突然、ジャブがこどもを連れて現れたのです🦕🦕🦕🦕。
ねこたちはうれしくなって、大きくなったジャブの背中に飛び乗ります😸。
ジャブは、「ウッホー。ねこ、みんな、うれしいか」と、言って、また泥沼にザッブーン!
11ぴきのねこたちも、ジャブも、ジャブのこどもたちも、みんな笑顔😸🦕🦕🦕🦕。
「ウッホッホー。みんな、みんな、うれしい、うれしい」
という、ジャブのセリフで、物語は締めくくられるのです。
私は、これを見た時に、なんてすばらしいラストだろうと感動を覚えました😭。
11ぴきのねこたちとジャブの間に誤解が生じて、しばらく距離ができてしまっていたけれど、ねこたちもジャブも、心の奥底では、きっとお互いに好きで、仲直りしたいという気持ちがあったのでしょうね😌。
1年も経ってから、ひょっこり姿を現したジャブの描写からも、ねこたちが久しぶりにジャブに会って喜んでいた様子からも、お互いに強く想っていたというのが、とてもよく伝わってきます🐱💗🦕。
最後のみんなの笑顔、一人ひとりの表情が、本当に幸せそうで、心にも笑顔の花が咲きました🌼。
他の11ぴきのねこシリーズの作品では、トホホな表情で終わるラスト、呆気にとられた顔のラスト、満足そうな姿のラストなど存在しますが、みんなのあふれる笑顔のラストは、この『11ぴきのねこどろんこ 』だけです✨。
ずるがしこく立ち回ったり、失敗したり、いたずらしたり…でも毎日をあの手この手で生き抜いていているねこたちは、どこかこどもたち自身と重なるところもあるのかな、と思います👦👧🐱。
そのねこたちが、誰かと本当に幸せそうに寄り添っている姿は、11ぴきのねこシリーズを読んできたこどもたちに、絶大な安心感と幸福感を与えるのではないでしょうか。
次に選んだ!『11ぴきのねことへんなねこ』の魅力
『11ぴきのねことあほうどり』、『11ぴきのねこ どろんこ』の次に選ぶとしたら?という問いに、私も息子も共通して、『11ぴきのねことへんなねこ』と答えました👦👩。
その理由は…👀❓
具体的な『11ぴきのねことへんなねこ』の魅力に迫っていきたいと思います💁
魅力①:シリーズ5作目にして、サブキャラクター「へんなねこ」との縮まる距離
1作目の『11ぴきのねこ 』では、サブキャラクターとして、大きな魚が出てきますが、ねこたちは食料として最後食べてしまいます🐟。
2作目『11ぴきのねことあほうどり 』では、あほうどりが出てきます🐦。結果的には、あほうどりにコロッケを作ってあげることになりましたが、途中まであほうどりを食べようとねこたちは目を輝かせていました😻。
3作目の『11ぴきのねことぶた 』では、ぶたくんのおうちをのっとって、家をめぐる珍騒動をおこします🐷。
4作目の『11ぴきのねこふくろのなか 』では、ウヒアハという大きな化けものに捕まり、必死に逃げるべく策を考えます👾。
ここまで見てみると、11ぴきのねこたちと、物語のカギとなるサブキャラクターとの距離感は、さほど近くはないのです。
いつもねこたちは、他の登場キャラクターに対して、食べてやろうとか、嘘をついてやろうとか、こらしめてやろうとかって思っているわけです😼😽。
ところが、5作目である、『11ぴきのねことへんなねこ 』では、今までとは違う、他のキャラクターとの心の近づきを見せています🐱↔😸。
はじめこそへんなねこに対して、自分たちとは違う存在だと、距離をとって様子をうかがっていますが、へんてこな家に葉っぱをぺたぺた貼っているのを見て、自分たちも面白そうだから、手伝おうと、距離を縮め始めます🍃🍂。
手伝ってくれたねこたちへ、へんなねこもお礼にと、たくさん魚を捕ってきてくれて、みんな大喜び🎣😸。
最後にはみんなで、ほしのせかいのおほしさまはなびを、夜空に散りばめます🧨⭐。
この瞬間、11ぴきのねこたちと、へんなねこの心が寄り添い合っているように感じられました💕。
魅力②:へんなねこの神秘的な魅力
水玉模様のねこというだけでも、なんだか興味をそそられますが、魅力的なのは模様だけではなく、時々色を変えるその姿。
そらとぶふねの修復を手伝ってくれた11ぴきのねこたちに、「おー、みなさん、いいひと、いいひと」と言って、うれしさのあまり、体の水玉が、さくら色になったり…。
そらとぶふねの、壊れたドアの代わりに使ったなべのふたがぴったりで、「おー、おー。ドアにぴったりだ! ぼく とべる!」と言って、ピカピカと水玉模様を黄色く光らせたり…。
うちゅうねこというだけであって、とても神秘的で、ユーモラス!
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